今週の名言・迷言 10

「ぼくらが蝶で、夏の三日間しか生きられないのならよかったのに ── その三日間を君と一緒にいられたら、ぼくは五十年もの結婚生活より多くの喜びで満たされるだろう」

ジョン・キーツ

ジョン・キーツは十八世紀末から十九世紀初めにかけてのイギリス・ロマン主義の詩人で、これは婚約者のファニー・ブローンにあてた恋文の一節です。
父を九歳で、母を十五歳で亡くし、キーツ本人も母親や弟と同じ結核のため若干二十五歳で逝去したことを思うと、三日間というわずかな時間に託した思いがあらためて重く感じられます。

「秋に寄せて」など、珠玉の詩が残されています。

今週の名言・迷言 9

「でも、あたし、いかれた人たちのところにいたくないわ」と、アリスは言った。
「でも、そうせざるをえないのさ」とネコが言った。「ここでは、みんないかれてるんだ。私もいかれてるし、あんたもいかれてる」
「あたしがいかれてるって、なんでわかるのよ」とアリスが言った。
「いかれてるはずだからさ。でなけりゃ、こんなとこに来てるはずがない」

ルイス・キャロル

『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルは十九世紀イギリスの作家。オックスフォード大クライストチャーチ・カレッジの数学講師であり、プロ級の写真家でもあり、暗号法や数学の専門書も執筆しています。

ルイス・キャロルをめぐっては多くの神話−−「吃音だが子供と話すときは普通に話せた」「少女たちにコスプレさせてたくさんの写真を撮った」など−−があります。真偽については議論の余地があるようですが、本人も自分には一般の人々と違う要素があると自覚していたのかもしれません。

本日の名言・迷言 8

どんなに荷が重くても、その日だけなら運ぶことができる。どんなに仕事がきつくても、その日だけならやり通すことができる。だれでもその日だけなら愛想よく、辛抱強く、やさしく、無邪気に生きることができる。そして、それが人生というものなのだ。

ロバート・ルイス・スティーヴンソン

R.L. スティーヴンソンは『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』などで知られる十九世紀イギリスの作家。
スティーヴンソンは世界で最も読まれている児童文学作者の一人ですが、大人向けの著作も数多く、いずれも古さを感じさせず、今日に至るまで長く読み継がれています。
建築技術者の家系で自身も大学で土木工学を専攻したものの、途中で法科に転じて弁護士となりました。
もともと病弱な体質で、結核をわずらったこともあり、療養のため各地を転々としながら執筆を続け、四十歳で家族とともに南太平洋のサモア諸島に移住し、その地で没しました(享年四十四)。
中島敦の『光と風と夢』はサモア時代のスティーヴンソンの独白という形で晩年を描いています。
サモアにある墓には次のような自作の詩が刻まれています。

鎮魂歌
広大な、星のきらめく空の下
墓を掘って埋めてくれ
私は喜びと共に生き、喜びと共に死に
満足して横たわる

墓碑銘はこうしてほしい
ここ、憧れの地に、眠る
船乗りが海から望む故郷に
狩人が山から望む故郷に

今週の名言・迷言 7

「博物館の目的は、革新には失敗がつきものだということを示すことだ」と、心理学者のサミュエル・ウェスト博士は言った。「失敗をおそれていれば、革新はできない」

ニューヨークタイムズのコラム『レンズ』から

失敗は成功の母といったり、失敗学という学問もあったりしますが、失敗をおそれていては何も新しいことはできないし、失敗に学ぶという姿勢は大事なんでしょうね。

今週の名言・迷言 6

いまから二十年後、君は自分がやったことより、自分がやらなかったことに失望するだろう。さあ、もやい綱をはずせ。安全な港から出帆するんだ。帆に貿易風を受けよ。探検し、夢を実現し、発見しろ。

H.ジャクソン・ブラウン・ジュニア

ジャクソン・ブラウンは二十世紀アメリカの作家。大学に進学する息子に宛てて人生のヒントをまとめた “Life’s little instruction book” などのベストセラーがあります。

「毎日、三人をほめよう」、「お礼状はすぐに書け」、「勇敢であれ。そうじゃなくても、そのふりをしろ。誰にもその違いはわからない」、「時計は五分進めておけ」、「支払いは期限内にきちんとしろ」といった、ちょっとした人生の知恵的なものですが、「犬を飼え」、「歯をみがけ」、「楽器をならえ」といった ? というのもあります。

引用は、自分の父母の口癖や教えをまとめた (P.S. I love you)から。