人生の名言・迷言 61 - 他人の意見という雑音に自分の内なる声をかき消させるな  スティーヴ・ジョブズ

quotes-61-Jobs_20200120

他人の意見という雑音に自分の内なる声をかき消させるな。一番大切なことは、自分の心と本能に従う勇気を持つことだ。

スティーヴ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ(1955年~2011年)は、黒のタートルネックにジーパン姿がトレードマークだったアップル社の共同設立者で、カリスマ経営者。

アップル創業(1976年)時、技術面はスティーブ・ウォズニアックが受け持ち、ジョブズは主にマーケティングを担当しました。

翌年に発表した Apple II が大ヒットし、パーソナル・コンピュータという概念が広く一般にも浸透していきます。

億万長者となり、雑誌タイムの表紙を飾り、一躍「時の人」状態です。

ここまでなら、よくある IT 起業家の成功譚にすぎないのですが、これは単に序章で、さらに革命的というか、プログラムの知識がなくても動かせるという画期的なコンピュータ、マッキントッシュの開発を提唱して成功し、高い評価を受けます。

ところが、肝心の売れ行きがいまいちで、自分が創業した会社から追放されてしまいます。

その後、アップル社の業績不振など、いろいろな経緯があって、ジョブズはアップル社の最高経営責任者 (CEO) に復帰し、iPod、iPhone、iPad など一連の現代生活に欠かせなくなった、「ちょっと思いつかない」ような一連の製品群を矢継ぎ早に世に送り出し、その評価を不動のものとしました。

CEOに復帰してからの報酬が1ドルで、世界で一番給料の安い最高経営責任者と呼ばれたこともよく知られています。

言葉はそれだけで独り歩きしたりもしますが、誰がそれを言ったのかで重みが違ってくるというのは確かにありますね。

人生の名言・迷言 60 人に好かれるために自分を偽るくらいなら、、、

quotes-60-jide

人に好かれるために自分を偽るくらいなら、ありのままの自分で嫌われる方がましだ

アンドレ・ジッド

「自分を偽らず、ありのままの自分」とか、現代の若いタレントさんがSNSにでも書きそうな言葉ですが、これはフランスのノーベル文学賞作家、アンドレ・ジッド(1869年~1951年)の言葉です。

ジッド(ジイドとも表記されます)といえば、新訳聖書の福音書の一節をモチーフにした『狭き門』や『田園交響楽』など、純粋無垢な、自己犠牲的な生き方をつらぬく女性を描いた作品を中心に、かつては日本でも大人気でした。

ジッド本人は、こういう生き方ではだめですよという思いをこめて書いたらしいのですが、読者からは逆に受け取られて人気になったということのようです。

とはいえ、アフリカにおけるフランスの植民地支配に反対して政治参加をとなえたり、カトリックの総本山であるローマ教皇庁を皮肉ったりと、なかなか社会的に話題を集める問題行動も多く、敵も多かったようです。

従姉と結婚したものの、自伝の『一粒の麦もし死なずば』で告白しているように、彼自身は同性愛者であり、またノーベル賞を受賞しているにもかかわらず、ローマ教皇庁はジッドの死後、その作品を禁書に指定したほどです(カトリックの禁書目録は、現在では廃止されています)。

そういう自伝的要素を念頭において「自分を偽るくらいなら」という言葉を読み返すと、なかなか深い意味がこめられてもいるようです。

人生の名言・迷言 59: 昨日は過去、明日は謎、今日こそが神様の贈り物

quotes-59-BillKeene_20200108

昨日は歴史、明日は謎、今日こそが神様の贈り物。だから、それをプレゼントと呼ぶ。


ビル・キーン

ビル・キーン(1922年~2011年)は、アメリカの著名なマンガ家。

カートゥーン(キャプション付きの一コママンガ)を長期にわたって多くの新聞に連載していました。代表作は「ファミリー・サークル」です。どこにでもある家庭の日常生活をユーモアをまじえて描き、人気を博しました。

一般的な言い方をすれば 「昨日、今日、明日」は「過去、現在、未来」になるわけですが、ひとひねりした言い方になっています。

原文(英文)では、贈り物は gift(ギフト)で、それを後半では同じ意味を持つ present(プレゼント)に置き換えています。

プレゼントには贈り物と意味があると同時に「現在」という意味もあり、マンガ家らしい言葉遊びになっています。とはいえ、駄ジャレのレベルですが、、、

ウォールストリート・ジャーナルのような経済紙を別にすれば、米国では日本の全国紙のような大部数の新聞はあまりありません。

日本では、都道府県単位の新聞も、通信社からの配信記事を通して、同じ全国ニュースや四コマ漫画が掲載されていたりしすが、それと同じように、全米各地の地方紙にも、所属するシンジケートを介して、同じエッセイやマンガが多くの新聞に同時に掲載される形をとっています。

そういう事情もあって、ビル・キーンのマンガは、ピーク時には世界全体で1500紙に掲載されていたそうです。

人生の名言・迷言58 自分の夢に向かって自信をもって進み、、、

quotes-58-thoreau_20200101

自分の夢に向かって自信をもって進み、思い描いた人生を生きようと努力すれば、いずれ思わぬ形で成功を手にするだろう。

ヘンリー・デビッド・ソロー

ソロー(1817年~1862年)はアメリカの作家、思想家。

20代後半にマサチューセッツ州にあるウォールデン湖の湖畔に丸太小屋を建て、2年2カ月の間、ほぼ自給自足の生活をおくりました。その記録である『ウォールデン 森の生活』は名著として現代にいたるまで広く読みつがれています。

日本では明治時代に最初の翻訳が出て以来、およそ三十種類の訳書が出版されています。
ちなみに、小屋を建てた土地は、師として交流があった哲学者で詩人のエマーソンの所有地だったそうです。

『コンコード川とメリマック川の一週間』はボートで川をめぐる紀行で、自費出版した処女作ですが、まったく評価されなかった(売れなかった)ようです。

ソローは環境保護運動の先駆者として、また戦争に反対する「市民的不服従」や奴隷制度反対の講演活動などでも知られていますが、ハーバード大学を卒業した、いわゆるエリートでありながら、生涯、定職につかず、四十四歳で死去しました。

他に主な著作として『メインの森』、『コッド岬』などがあります。

人生の名言・迷言 57

christmas_20191224

学校の教室では、クリスマスをツリーや飾りやトナカイで祝うことができるが、肝心の誰の誕生日を祝うのかが忘れられているようだ。生徒にこの日をなぜクリスマスと呼ぶのかと聞かれたとき、先生はどう答えるのだろう。


ロナルド・レーガン

たしかに、クリスマスって何って聞かれて、「イエス・キリストの誕生日」とすぐに答えることができる子供は(大人も)少ないかもしれませんね。
「クリスマスカードをやりとりする日」とか「プレゼントがもらえる日」「ケーキや七面鳥を食べる日」という人も多そうです。


仏教や神道が混在する日本では、ハロウィンやクリスマスの方が雛(ひな)祭りや節分など季節の伝統行事より盛んになっているので、特にそうかもしれません。

ロナルド・レーガン(1911年~2004年)は、アメリカ合衆国の第40代大統領。
ハリウッドの映画俳優からカリフォルニア州知事をへて、1980年、史上最高齢(69歳11カ月)で大統領に就任しました(再選時は74歳)。ちなみに現在の最年長記録は、2017年に第45代大統領に就任したドナルド・トランプの70歳11カ月。

政策としてはアメリカ経済の回復をめざす「レーガノミックス」をかかげ、減税や積極財政で一定の成果をあげたものの、貿易赤字と財政赤字という双子の赤字を生み出してしまいました。

当時のソビエト連邦などと対抗する、力による平和という理念に基づき、強硬な「レーガン・ドクトリン」をかかげて、イギリスのサッチャー首相(1925年~2013年)や日本の中曽根康弘首相(1918年~2019年)とも密接な関係を結びました。

とくに中曽根首相とは、互いに姓ではなく名前で呼び合う「ロン・ヤス」関係を築いたことでも知られています。

晩年はアルツハイマー病であることを公表し、2004年に93歳で死去しました。

人生の名言・迷言 56 どこかで何か信じられないものが発見されるのを待っている

carl-sagan_anywhere

どこかで何か信じられないものが発見されるのを待っている。

カール・セーガン

カール・エドワード・セーガン(1934年~1996年)はアメリカの天文学者。

コーネル大学教授として教鞭をとるかたわら、無人惑星探査機計画に参加したり、宇宙や科学に関連する啓蒙書を執筆してベストセラーになるなど、二十世紀で最も著名な宇宙科学者の一人。

全米科学アカデミーの会員に推薦されたものの入会が認められないなど、科学者としての学界での評価はそれほど高くなかったようですが、二十世紀後半の地球外生命体の存在をめぐる議論の中心には常に彼がいました。

科学についての「悪霊がさまよう闇の世界を照らすローソクの光」というセーガンの比喩は、似非(えせ)科学や迷信に対する姿勢をよく示しています。

ところで、「どこかで何か信じられないものが発見されるのを待っている」という言葉はオバマ大統領がスピーチで引用するなど、非常によく知られているものなのですが、実は、これはカール・セーガン本人が口にした言葉ではないという説もあります。

というのは、この言葉は彼の著作のどこにも見つからないからです。

歴史的経緯を探ると、米国の有力ニュース週刊誌ニューズウィークが「地球外の世界を探る」という特集でカール・セーガンを取り上げた際(1977年8月15日号)、記事の最後がこの言葉で締めくくられていたため、これがカール・セーガンの発言として流布していったということのようです。

その記事の執筆者の一人であったシャロン・ベグリーが、一連の取材のまとめとして、自分がそのように表現したということを認めています。

人生の名言・迷言55 悲観主義者は風が出てきたと不満をもらし、、、

55_WAWard-pessimist_

現実主義者は風が出てきたと不満を漏らし、楽観主義者はそのうち変わるだろうと期待し、現実主義者は帆を調整する。

ウィリアム・アーサー・ウォード

ウィリアム・アーサー・ウォード(1921年~1994年)はアメリカのキリスト教メソジスト派の指導者で、リーダーズダイジェスト誌のような一般雑誌に、わかりやすい言葉で人生訓のようなものを書いて人気を博していた作家でもあります。

キリスト教は宗教改革以降はカトリックとプロテスタントに二分されますが、メソジスト派というのは後者で、日本では青山学院や関西学院が該当します。

教育現場では「凡庸な教師はただ教える(ただしゃべる)。よい教師は説明する。すぐれた教師は手本を示す。偉大な教師は相手をその気にさせる(心に火をともす)」というウォードの言葉も有名で、いろんな学校の校長先生の「お話」にもよく出てきますので、一度くらい聞いたことのある人もあるのではないでしょうか。

日本で一口にミッション系の学校といっても、カトリックからプロテスタントまであり、さらにそれぞれが長老派だとかルーテル派だとか、母体となる教派や教団で(?)で細分化されていますので、なかなか簡単にはいきませんね。

たとえば、誰でも知っている十字架ひとつとっても、カトリックでは、イエス・キリストが磔(はりつけ)になっていますが、プロテスタントの十字架にはキリストの姿はなくて、単なる十字のみだったりします。

[ 戻る ]   [ 次へ ]

人生の名言・迷言54

hoshino-michio-quote-only-single-tree

わずか一本の倒木が水の流れに多様さをもたらし、よどみをつくり、さまざまな魚たちに絶好の産卵場所を与えているのだ。

星野道夫

『イニュニック  アラスカの原野を旅する』より

星野道夫(1952年~1996年)は、動物や自然の写真家でエッセイスト。

南東アラスカでトーテムポールを探し求め、複雑に入り組んだフィヨルドを旅しつつ、カヤックで上陸したカナダ側のクイーンシャーロット(群)島で、熊の足跡をたどって森に入り込んだ際に目にした自然について述べたもの。

星野は、慶応大で探検部に所属していたときにアラスカの写真集を見て感激し、現地にホームステイしながらクジラ漁を手伝ったりした。卒業後は動物写真家の助手をしていたが、二年でやめると、アラスカ大フェアバンクス校に入学した。

写真集『Alaska 極北・生命の地図』で木村伊兵衛写真賞を受賞し、以後、写真だけではなく詩/エッセイなどでも幅広く活躍した。

日本のテレビ番組「どうぶつ奇想天外」のためロシア・カムチャッカ半島でのヒグマと鮭の撮影に遠征。テントで就寝中、ヒグマに襲われて死亡した。享年43歳。

人生の名言・迷言53 自分の読みたい本があって、それがまだ書かれていないのだったら、あなたが書かなきゃ。

自分の読みたい本があって、それがまだ書かれていないのだったら、あなたが書かなきゃ。

トニ・モリスン

Toni Morrison 2008
Source: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Toni_Morrison_2008.jpg

先日(八月五日)、二十世紀のアメリカを代表する作家で、ピューリッツァー賞やノーベル文学賞を受賞したトニ・モリスン(1932年~2019年)が亡くなりました。

この「あなたが書かなきゃ」という言葉は、若いころに作家志望の仲間に言われたものだそうです。それが創作のきっかけとなり、『青い眼が欲しい』という小説(原題は「最も青い眼)によるデビューへとつなりました。

自分の描く黒人の世界について、こうも述べています。

私はトルストイに自分のことを、このオハイオ州オレインの黒人少女のことを書いてと頼んだことはないし、(ジェームズ)ジョイスにカトリックの教義やダブリンの生活を書いてくれと頼んだこともない。……フォークナーは、私が思うに、地方に根差した文学を書いて、それが世界中で認められたのよ。私がやりたいのは、そういうことなの。

代表作に『ソロモンの歌』や『ビラヴド(愛されし者』他があります。

人生の名言・迷言52: 私たちは蝶の美しさに喜びを感じるが、その美を、、、

私たちは蝶の美しさに喜びを感じるが、その美を実現するために蝶が経てきた変化については、めったに気に留めることはない。

マヤ・アンジェロウ

卵で生まれた蝶はイモムシになり、サナギになって、それからさらに羽化して蝶になるわけですが、そのことを指しているわけですね。

たしかに蝶の美しさに見とれることはあっても、そのときにイモムシをイメージしたりはしません。

マヤ・アンジェロウ(1928年~2014年)はアメリカの詩人であり女優であり、公民権活動で有名なキング牧師とは同世代で、そうした運動の支援者でもありました。

全米図書賞やピュリッツァー賞の候補にもなった作家であり、死去した際には米国の郵政公社が追悼の切手を発行したほどでしたが、子供の頃には離婚した母親の男友達に性的虐待を受けたりもしています。

サンフランシスコのケーブルカーの運転士になるのが夢で、それを実現した後、ナイトクラブのダンサーなどを経てオペラや歌手としても活躍するようになり、離婚後に書いた自伝『歌え、翔べない鳥たちよ』(立風書房)で著作家として認められたのです。

ちなみに、広辞苑(第六版)によれば

蝶 チョウ目のガ以外の昆虫の総称。
蛾 チョウ目のチョウ以外の昆虫の総称。

だそうです。

「蝶の幼虫はイモムシで、蛾の幼虫は毛虫」とか「木にとまるとき蝶は羽を閉じるが、蛾は開いたまま」などというのも厳密には違うそうで、毛虫が蝶になったり、羽を広げてとまる蝶もいるなど、生物学的には蝶と蛾を明確に区別することはできないのだそうです。