『スティーヴンソンの欧州カヌー紀行』を出版しました

スティーヴンソンの欧州カヌー紀行 

ロバート・ルイス・スティーヴンソン著 明瀬和弘訳

400円(税込)
2021年10月10日
ISBN 978-4-908086-10-6

・ロバート・ルイス・スティーヴンソンの An Inland Voyage の新訳。
・中島敦の『光と風と夢』(現代表記版)も併載。

ロバート・ルイス・スティーヴンソンは『宝島』や『ジキル博士とハイド氏』などの作品で知られる十九世紀イギリスの作家で、晩年(というか、四十四歳で死亡しているので短すぎるその人生の後半)は、転地療養に適した土地を探した末に、南太平洋のサモアに妻と移り住み、その地で没しました。
この紀行は、二十代のスティーヴンソンが友人と二人で大陸(ヨーロッパ)にカヌーを持ちこみ、川や運河づたいに旅をした記録です。
未来の世界的ベストセラー作家がまだ無名だった若き日の、好奇心旺盛で、冒険やキャンプなどのアウトドア大好き青年だったころの、時代の最先端をいくセーリング・カヌー(ロブロイ・カヌー)を用いた川旅で、ヨーロッパの大河を上流に向かって必死に漕いだり、スリル満点の急流下りを楽しんだり、風がよければ帆走したりと、鉄道や馬車など普通の旅行手段ではとうてい味わえないスリルや緊張感や楽しみに満ちています。
本書の後半には、サモアに移住したスティーヴンソンの晩年を描いた中島敦の『光と風と夢』を併載しています。
中島敦も気管支ぜんそくの転地療養をかねて西太平洋パラオの南洋庁に勤務した経験があり、スティーヴンソンには大いに共感するところがあったようです。
『山月記』の虎になった主人公にも、『光と風と夢』のスティーヴンソンにも、三十三歳で夭折することになる中島敦自身の強い自己投影が感じられます。

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コナン・ドイルの海洋ミステリーI

コナン・ドイルの海洋ミステリーI
コナン・ドイル著 
明瀬和弘訳

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コナン・ドイルの大海原をテーマにしたミステリー短編集。ドイルはホームズ物以外にもさまざまな小説を書いていて、その作品群は生前にテーマ別に整理され刊行されている。本書に収録したものは、そのうちの『海賊と青海原の物語』と題する一巻で「青海原」に分類されている六編である。幕末の横浜が舞台になっている作品も含まれていて見逃せない。

出版社: エイティエル出版 (2015/3/10)

老水夫行

老水夫行 (海洋冒険文庫)
サミュエル・テイラー・コールリッジ (著)
明瀬和弘 (翻訳)

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英国の傑作長編詩『老水夫行』を現代によみがえらせる新訳。暴風雨、氷山の海からの生還、吉兆の海鳥の殺害と復讐、幽霊船と赤い唇の女、光り輝く水蛇、太陽や月や星々を巻き込み大海原で展開されるハラハラどきどきの叙事詩。

出版社: エイティエル出版 (2014/12/1)

新版電脳田舎暮らしのススメ

新版 電脳田舎暮らしのススメ
岸田啓 (著)

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二〇〇一年に出版された『電脳田舎暮らしのススメ』の改訂新版。
二〇一四年五月に日本創世会議が公表した「二〇四〇年には全国八九六市区町村が消滅の危機に直面する」という試算結果は日本の社会に衝撃を与えた。
日本ほど政治のみならず経済や文化も首都である東京とその周辺に一極集中している国は、世界でも珍しい。とはいえ、少子化による人口減少と東京一極集中がここで論じられているわけではない。
田舎暮らしの本は数多いが、都市に住む生活者の実感とあまりにかけはなれている。現代社会は、インターネットをはじめとするネットワークが張り巡らされた高度な情報社会である。日常の生活においても、コンピューターとは切っても切り離せない――にもかかわらず、そういうハイテク技術の恩恵には背を向けて「日本昔ばなし」の世界に閉じこもってしまうのでは、将来に対する展望は開けない。
その意味で、天草諸島に住みながらハイテク(電脳)を駆使して東京にいるときと同じ仕事をし、東京並みの報酬を得る、という著者のスタンスは明確だ。
この本が出版された当時はスマートフォンやタブレットはまだ存在せず、フェイスブックやツイッター、ラインなどの影も形もなかった。そういう時代から、コンピューターネットワークを駆使して田舎暮らしを実現させている。

田舎暮らしの部分(1章~4章)はまったく古くなっていない。とはいえ、ハイテク情報については、出版された2001年当時はデジタル機器も先端のものだったものの、現在では最先端の情報はオンライン/ネットから入手するのが一般的になっているため、5章以降については、技術史や過去に興味のない人は「草創期の苦労話ネタ」として読み飛ばしてもらえばよい。

出版社: エイティエル出版 (2014/10/19)

もう一つの9・11

もう一つの9・11: サイバーテロとネットワーク社会  
ネットワーク社会とセキュリティ研究会 (著)

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二〇〇一年九月十一日、アメリカン航空とユナイテッド航空の旅客機がマンハッタンの世界貿易センターのツインタワーに相次いで激突した。その一週間後、アシュクロフト米司法長官は同時多発テロとの関連が噂される新種のコンピューターウイルスについて警告を発し、FBIが捜査を開始した。
ニムダと呼ばれるこのウイルスは、日本でも短期間に急激に拡大していった。
一方、二十一世紀最初の年の情報通信白書は、日本が高速大容量の「ブロードバンド元年」を迎えたと強調したが、皮肉にもネットワークを利用した新しく強力なコンピューターウイルスが次々に登場して過去の記録を塗り替え、ネットワーク型ウイルス元年と呼ばれるに至る。
コンピューターウイルスを軸にネットワーク社会の抱える問題点を追う。

出版社: エイティエル出版 (2014/9/2)