人生の名言・迷言:82 医術の道は長く、人生は短い ヒポクラテス

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ヒポクラテス

ヒポクラテス(紀元前460年~370年頃)は古代ギリシャの医師で、医学の父とも呼ばれる存在です。

医の倫理を説いた「ヒポクラテスの誓い」は医学生でなくても広く知られていますが、現代化されて世界医師会のジュネーブ宣言(1948年)にも反映されています。

看護学校で行われる戴帽式のナイチンゲール誓詞も、医師向けのピポクラテスの誓いを元にした看護師の心得になっています。

原文はラテン語で “ars longa, vita brevis” です。

この言葉は、そのまま、夏目漱石の『心』の表紙裏に朱印として押されています。

夏目漱石は、『心』の朝日新聞連載終了後、古本屋を開業したばかりで出版業への進出をめざしていた岩波書店創業者・岩波茂雄のために自費出版の形で同書店から『心』を出版してやったりしています。

この言葉は、英語では “The art is long, life is short” となります。

本来は医術(技術)を指した言葉が、やがて芸術や学問を指すようになり、

「芸術や学問を究めるには長い時間がかかるが、人生は短い(だから集中して勉強しなさい)」、

「人間の命ははかないが、その人間が生み出した芸術の生命は長い」

といった風に解釈も時代につれてに変化しています。

東洋には「少年老いやすく、学なりがたし」という言葉もあります。

広い意味で儒教に含まれる朱子学を創始した十二世紀の中国の朱子(朱熹 しゅき)の言葉とされていますが、近年の研究では、それ以前から流布していた言葉のようです。

朱子がヒポクラテスの箴言(しんげん)を知っていたとも思えませんから、洋の東西、古今を問わず、広く人間に共通する真理ということでしょうか。

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