エイティエル出版について
毎日、大量の新刊書が発行されています。日本の出版業界では、新刊書の多くは取次会社経由で全国の書店に配本され委託販売されますが、書店は一時的に預かっているだけなので、売れなかった本については三ヶ月経過すると返却することができます。
書店の数や棚には限りがあるため、新刊書の多くは、書店の棚に並べられてお客様の目にふれるということもないまま、段ボールにしまいこまれた状態で三ヶ月をすごし、返品され廃棄処分される運命にあります。
この返却される本(返本)の割合が40%前後と非常に高いのが日本の出版業界の特徴で、返却された本にも倉庫保管料や配送費、維持管理のコストが必要になるため、これが出版社の経営を圧迫しています。
出版社は一般に初版の発行部数が売り切れた段階で採算がとれるよう価格設定していることが多く、最初の三ヶ月でその見込みがないと判断された場合、経営上の理由から返却された本は廃棄処分とし、絶版とせざるをえないわけです。
また、日本ではまず単行本が出て、数年経ってその売れ行きが落ちてくると、安い文庫本になるという状況ですが、イギリスやアメリカでは、人気作家の新刊書でも、豪華で高価なハードカバー、安価なペーパーバック、お手軽な電子書籍、便利なオーディオブックという4つの形態で同時に販売され、読者は自分の環境や嗜好にあわせて選択できるというスタイルが主流になりつつあります。
制度上の問題はいろいろあり、論じ始めると切りがありませんが、エイティエル出版では「良書は絶版にしない」という方針に基づき、現実的な解決策として、「電子書籍+オンデマンドによる紙書籍」の発行を行っています。
電子書籍に抵抗がない人には電子版をできるだけ安く提供し、やっぱり紙の本がいいという人には少し高めになりますが紙の本をどうぞお楽しみください――というスタンスです。
エイティエル出版 代表 明瀬 和弘
| 明瀬和弘 1955年生まれ。早大法卒。翻訳者。塾講師・経営を経て、法規、契約書など法律関連の英訳・和訳を中心にしたフリーランスの実務翻訳者へ。
さらに、人生がひとまわりした60歳を機に、自分の好きな本の翻訳と、売れる売れないに関係なく自分が読みたいと思う本の出版を中心にした活動に軸足を移し、また一年生にもどって、人生を自分の足で歩き出したところ。 主な訳書に『口語訳 老水夫行』(S.T.コールリッジ)、『コナン・ドイルの海洋ミステリーI』(コナン・ドイル)、『スナーク号の航海』(ジャック・ロンドン)、『スティーヴンソンの欧州カヌー紀行』(R.L.スティーヴンソン)、『ヨーロッパをカヌーで旅する』(ジョン・マクレガー)他。 |
