人生は驚きと発見に満ちている。
あなたに驚きがなければ、驚く心を失っているのかもしれない。
あなたに発見がなければ、目を閉じてしまっているのかもしれない。
驚きと発見は未熟で経験不足の若者に特有のものと思い込んではいないか。
思慮分別に満ちた大人の対応と、惰性と慣れですり切れた感性の麻痺を混同してはいないか。
マハトマ・ガンジーは言った。
「明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学べ」
“Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever.”
明日起きることを予測するのは可能だが、実際にそうなるとは誰にも断言できない。
明日のことは誰にもわからない。
自分にとって確実なことは、自分が確実に手にできるのは、「いま」だけである。
「明日になれば、大人になれば」ではなく、
「いまを生き続けること、すなわち、人生」なのである。
永遠に手にできない未来を夢想しながら、
「いま」を無駄に浪費してはいないか。
斜に構えてわかった風なことを言う知ったかぶりは、
そのうさんくささとともにゴミ箱に捨てよう。
世の中には、その日その日を精一杯に生きて、感じて、
自分自身の足跡を他者と共有できる形で残してくれている人が大勢いる。
そういう人の生き方を知ることから、
生きる意味をあらためて考えてみないか
―― 自分に与えられた一回きりの人生をよりよく生きるために。
エイティエル出版 代表 明瀬 和弘
明瀬和弘 1955年生まれ。早大法卒。
天草諸島在住の翻訳者。塾講師・経営を経て、法規、契約書など法律関連の英訳・和訳を中心にしたフリーランスの実務翻訳者へ。 さらに、人生がひとまわりした60歳を機に、自分の好きな本の翻訳と、売れる売れないに関係なく自分が読みたいと思う本の出版を中心にした活動に軸足を移しはじめたところ。要するに、また一年生にもどって、人生を自分の足で歩き出したところ。 主な訳書に『口語訳 老水夫行』(S.T.コールリッジ)、『コナン・ドイルの海洋ミステリーI』(コナン・ドイル)ほか。 |
原点
明瀬は地方在住のため、かなり早い段階――スマートフォンやタブレットはむろんのこと、フェイスブックやツイッターなどのSNSもない頃――から、当時パソコン通信と呼ばれていたコンピュータを使ったネットワーク通信を活用してきた。
いまから20年近く前に出版された『ネットワーク共和国宣言 ―― パソコン通信のいま、これから』(山根一眞編、筑摩書房、1996年)に収録された当時の文章を、参考までにこちらに採録しておく(現在では絶版のため)。
パソコン通信というのは、会員制で登録した者以外は書き込みも閲覧もできないという意味で、SNS(ソーシャルネットワークサービス)のはしりのようなものと理解していただければよい。
「sokoniirunoha-yahari-ningen_199604」(pdfファイル)