今週の名言・迷言 18

穏やかで慎ましい生活は、たえず不安にさいなまれながら成功を追求するより多くの喜びをもたらしてくれる。

                                                                 アルバート・アインシュタイン

つい先頃、アインシュタインのメモ2つが約2億円で落札されたというニュースが流れて話題になりましたが、今週の名言はそのメモから。

アインシュタインはほぼ百年前の1922年に来日して帝国ホテルに宿泊中に、手紙を届けてくれた人にチップ代わりにホテルの便せんを使ってそのメモを書いたそうです。日本までの船旅中にノーベル物理学賞受賞の知らせを受けて、気分もよかったのでしょうが、百年後とはいえ、このチップ、史上最高額になるのではないでしょうか。
また、内容もいいですね。現物の写真はこちら。

便せんの左上とヘッダに帝国ホテル/Imperial Hotel Tokyo の文字が見えます。
原文はドイツ語だそうですが、日本語は英語/”A quiet and modest life brings more joy than a pursuit of success bound with constant unrest.”からの訳です。

今週の名言・迷言 17

誰かが私から何かを期待しているという考えには耐えられない。それを聞くと、私はいつも反対のことをしたくなる。

ジャン・ポール・サルトル

サルトルは20世紀フランスの実存主義哲学者(1905年~1980年)。

第二次世界大戦後の西欧で、『第二の性』の著者でありフェミニストで事実上の妻でもあったシモーヌ・ド・ボーボワールと共に、一躍、時代の寵児となった思想家です。

サルトルでよく知られているのはベトナム戦争当時の「飢えた子供の前で文学は有効か」という問いかけです。

今週の名言・迷言 16

嘘は、真実が靴をはいている間に、世界を半周できる。

マーク・トウェイン

『トム・ソーヤの冒険』で知られるアメリカの作家マーク・トウェインは、児童文学の枠におさまらない米国現代文学の祖ともいうべき存在です。

ヘミングウェイが「アメリカの現代文学はすべてマーク・トウェインの『ハックルベリーフィンの冒険』に由来する」と述べたのをはじめ、ウィリアム・フォークナーも「最初の真のアメリカ人作家」と激賞しています。

ハレー彗星が観測された年に生まれたので、「自分はハレー彗星と一緒に去って行く」と述べていて、その通り、次にハレー彗星が出現した年に亡くなりました。

偶然に彗星の周期(76年)と人間の寿命が一致しただけでしょうが、こういう逸話に事欠かない、波瀾万丈で抱腹絶倒の人生を送りました。

今週の名言・迷言 15

幸福とは何か用意されているものではない。君自身の行動から生まれてくるのだ。

ダライ・ラマ十四世

ダライ・ラマ十四世(1936年~)はチベット(現在の中華人民共和国チベット自治区)の君主だったが、1959年にインドに亡命し、政治難民となった。インドに設立されたチベット亡命政府の国家元首でもある。

インドの独立を導いたガンジーと同じく、非暴力によるチベットの独立を提唱し、1989年ノーベル平和賞受賞。

仏教の指導者として世界的に有名だが、特異な立場にあるため、いろんな意味で政治利用されることが多く、米国CIAから資金提供を受けたり、日本のオウム真理教から多額の献金を受けた過去もある。

今週の名言/迷言 14

態度は自分が選択したものだ。幸福になるもならぬも自分の選択による。楽観主義も選択だ。親切にすることも自分で選択する行為である。何かを与えることも選択だし、尊敬するか否かも自分の選択による。自分の行う選択が自分をつくりあげていく。賢明な選択をしよう。

R. T. ベネット

ベネットは現代米国の作家。というか、自己啓発の電子ブックを一冊出しただけの、限りなく無名に近い存在だが、自己肯定的で楽観的で前向きな文章で、一度読むと癖になって繰り返し手にとる人も少なくない(らしい)。

「幸せになりたければ、過去のことをくよくよせず、将来のことをあれこれ悩まず、今現在を十分に生きていくよう努めよう」 といったことも述べている。深遠な哲学や思想ではなく、どこかで聞いたような気がする内容だったりするが、それだけに素直に「そうそう」と首肯できるものも多い。