死という希望がなかったら、誰が人生に耐えられるでしょう?
ルーシー・モード・モンゴメリ
モンゴメリ(1874年~1942年)といえば、自分の生まれ育ったカナダのプリンスエドワード島を舞台にした『赤毛のアン』シリーズの作者として、日本でも人気が高いですね。
九冊あるアン・シリーズとは別に、モンゴメリは大人向けの長編を二作書いています。この言葉は、そのうちの一つ『青い城』という物語から。
主人公は二十九歳で未婚の女性です。
彼女は家族にしばられた暗い生活を送っていましたが、医者により誤って死の病にかかったと宣告されたことから、家を出て自立の道をさぐりますが、波瀾万丈の末に、絵に描いたようなハッピーエンドを迎えます。
というわけで、「死」は物語全体を通して通奏低音のように流れています。
モンゴメリは長老派教会の牧師と結婚し、67歳で死亡しましたが、結婚後に夫がうつ病を再発させ、後年に孫の女性が明らかにしたところによると、看護疲れからか、モンゴメリ自身もうつ病による自殺だったそうです。