人生の名言・迷言 75: 善人はこの世で多くの害をなすが、その最大のものは、人間を善人と悪人にわけることだ

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善人はこの世で多くの害をなすが、その最大のものは、人間を善人と悪人に分けることだ。

オスカー・ワイルド

オスカー・ワイルド(1854年〜1900年)はアイルランド・ダブリン出身の詩人、作家、劇作家です。

フランス語で執筆した戯曲『サロメ』や、若さや美と人間の業や老醜とを極限まで突き詰めた長編小説『ドリアン・グレイの肖像』などの作品があります。

オックスフォード大学在学中に詩を発表し、首席で卒業した後、芸術家きどりの派手な言動と何かと物議をかもす恋愛沙汰で、ある意味、スキャンダルまみれの時代の寵児ともなりましたが、四十そこそこで猥褻(わいせつ)罪で投獄された挙句(あげく)に破産しました。

服役して出所して以降、世間からは忘れ去られた存在で、妻の死に目にも会えず、放浪中のパリで性病(梅毒)による脳髄膜炎により、四十六歳の若すぎる生涯を閉じました。

オスカー・ワイルドといえば耽美主義の化身のような生き方をした人で、谷崎潤一郎など日本の作家にも大きな影響を与えましたが、晩年は完全に世間から見放されていました。

善悪で人を分類することに対する反発は、こうした実体験に裏付けられているのでしょう。

この言葉には続きがあり、「人間なんて、魅力があるか退屈なやつかのいずれかだ」と述べています。

人間を魅力的か退屈な凡人かに分類するとすれば、本人は自分は当然に前者だと思っていたはずです。

先週のシステムトラブルについて

セキュリティ強化のためのホームページのSSL化(http:// => https://)で生じたシステム障害については先週の月曜に復旧しました。

一週間かけて確認しましたが、現在は特に異常はないようです。

原因もわかっていますので、サイト運営の参考までに、こちらに簡単に経緯をメモしておきます。

事実経過

サイトのセキュリティ強化のためSSL化を行いましたが、その過程で、「海の上の編集室」が一時的に閲覧不能となりました(約1日)。

サイトは独自ドメインで、レンタルサーバーにWordPress を組み込んで運用していました。

内容を二系統にわけたかったので、単一ドメインのルートディレクトリと下位フォルダに分けて二つのWordPressシステムを組み込んで運用していました。

これ自体は何も問題はなかったのですが、SSL化する際に、両方同時にSSL化するわけにもいかず、順にやろうとしてWordPressのデータベースに障害が生じた、ということのようです。

単一ドメインで複数のWordPressを運用する場合、2つの方法があります。

1. サブドメインを使用する。
2. フォルダ分けする。

サブドメインは  http://サブドメイン.ドメイン/  となり、

フォルダ分けでは  http://ドメイン/フォルダ/  となります。

静的なhtmlのサイトからWordPressを組み込んだレスポンシブなサイトにする際、Windows のフォルダシステムに慣れていたため直感的にわかりやすい後者を選択し、ルートディレクトリに WordPress 1を設置し、下位フォルダに WordPress 2 を設置して運用していました。

別々の時期にそれぞれ別のものとして導入したのでデータベースも別だと思っていたところ、これだとWordPressのデータベースが共通になるようで、ここにSSL化で問題が生じる原因があったようです。

運用自体には何の問題もないものの、SSL化の際に1と2の共通データベースで一時的に異なるリンクが混在する状態になって障害が生じたようです。

サブドメインであれば、WordPressも完全に別のものとなるので、こういうトラブルは生じないことになります。

というわけで、最初からSSL化したサイトでは 下位フォルダを利用して複数のWordPressを導入可能と思いますが、現在 http:// でこれからSSL化をするという方はご注意ください。

人生の名言・迷言 74:現状に満足するな、人の目を気にするな。スティーブ・ジョブズ

現状に満足するな。人の目を気にするな。

スティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ(1955年~2011年)は、言わずと知れたアップル社の生みの親です。

マックもアイフォーンもアイパッドも、ジョブズがいなければ生まれていませんでした。

IT起業家として大成功をおさめたスティーブ・ジョブズですが、生まれた直後に養子に出され、やっと入学した小さな大学は中退し、ゼロから創業して成功したアップル社からは追放され、新たに創業した企業が成功してアップル社のトップに復帰したと思ったら、余命数ヶ月のガンを宣告され、奇跡的に手術に成功、、、と、

その人生は誰もがうらやましがる経済的成功を実現する一方、浮き沈みも多く、ある意味、波乱万丈ともいえる生涯でした。

ガン宣告をくぐりぬけた後の2005年、名門スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチは、現代で最も印象的なスピーチの一つとされています。

その最後で卒業生に向けていった言葉が “Stay hungry. Stay foolish.”なのです。

全地球カタログという、スティーブ・ジョブズが若いころのカウンターカルチャー雑誌に掲載されていた言葉で、スティーブ・ジョブズはこれを座右の銘にしていたそうです。

直訳すると「ずっとハングリーでいろ」「ずっと愚か者でいろ」となります。

「なんのこっちゃ?」ですね。

これはかつて東大総長が卒業式で言ったとされる「太ったブタより、やせたソクラテスになれ」と共通する言葉でもあります。

この東大総長の言葉は、十九世紀イギリスの哲学者で経済思想家のジョン・スチュアート・ミルの「功利主義論」の一節をもじったものです。

ミルは「満足したブタより不満足な人間である方がよい。満足した愚か者より不満足なソクラテスの方がよい」と述べて、その後に「なぜなら、ブタや愚か者は自分の側の立場からしか見ないからだ」と続きます。

そういうことを前提に、自分のおかれた状況に満足して小さくまとまるのではなく、ハングリー精神を持ち、「現状に満足するな」、人に愚かだと思われるようなことでも自分が本当にやりたければ「人の目を気にせず」にやってみろという意味に訳してみました。

スティーブ・ジョブズのスピーチは動画サイトにいくつもアップされていますが、ここでは正式な登録チャンネルの英語字幕付きのものを紹介しておきます。

日本語訳は「スティーブ・ジョブズ」「スタンフォード」で検索すれば、たくさん出てきます。
出版に関係する者としては著作権の有無を確認できないものは紹介できませんので、自分で調べてください。

人生の名言・迷言 73 過去を振り返ると、昨日はいつも輝いていた気がする。だが、そのときは「いまは試練の時だ」と言っていたのだ

 

 

過去を振り返ると、昨日はいつも輝いていた気がする。だが、そのときは「いまは試練の時だ」と言っていたのだ。

ジョン・メージャー

ジョン・メージャー(1943年~)はイギリスの元首相です(在職期間:1990年~1997年)。

ことわざの「喉元(のどもと)すぎれば熱さ忘れる」と似たような意味ですが、人間はもともとそういう存在なんでしょうね。

でなければ、過去のつらい記憶をいつまでも引きづって体調をくずしかねません。

逆に、「あつものに懲(こ)りて、なますを吹く」のもまた人間で、この振れ幅が大きいと、生きていくのも大変で、バランスをとるのがなかなかむずかしい……

「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーの辞任を受けて英国首相に就任したのがジョン・メージャーでした。

保守党の党首選挙ではメージャーの得票は三番目でしたが、上位の二人が辞退したため、首相の座が転がりこんできたのです。

組閣後最初の総選挙では「敗北するという予想」を裏切って辛勝し、そこから六年半の長期政権への道筋がついたのでした。

四十代で首相に就任して長期政権を築くなど、順風満帆にも思える政治家人生ですが、運命の分かれ道では、「かろうじて」とか「ぎりぎりのところ」で、なんとか乗り切ってきたというのも事実で、そういうところから、この言葉が出たのでしょうか。

イギリスは2020年に欧州連合(EU)を離脱しましたが、1993年の欧州連合発足に尽力し、加盟を決断したのがメージャー首相でした。

もっとも、英国が欧州に吸収されたりフランスやドイツが主導権を握る欧州の連邦化を警戒して、EUの共通通貨のユーロは採用せず、従来のポンド体制を維持して金融の自立を確保しました。

メージャー元首相は現在、政界を引退していますが、イギリスの欧州連合離脱には反対で、国民投票の再実施を求めています。

SSL化が終了しました

サイトのSSL化 (http:// => https:// ) が終了しました。

その途中で海の上の編集室がほぼ丸一日使えないトラブルがあり、ご迷惑をおかけしました。「海の上の編集室」はこちらに復元しました。

原因についてはほぼ特定できましたので、参考のため、後日、簡単な説明を掲載します。

SSL化に伴い、いろんな内容が入り混じってわかりにくかった「海の上の編集室」を再構成いたします(「一歩差がつく大人の英語」の分離など)。

今週まではこちらに連載し、来週分から移行の予定です。

その際はあらためてお知らせします。

コロナウイルス (COVID-19) の感染状況が一番わかりやすいサイト for info-sharing

タイトルの通りです。

感染者数などは国、自治体、メディアごとに違っていたりするので、非常にわかりにくいのですが、こちらで調べた限り、東洋経済の特設サイトの情報が一番わかりやすいと思います(経済情報誌なので、こういう統計処理はお手の物?)

For the infection-related situation of coronavirus (COVID-19) in Japan,
you can find the statistical data from the site below:

日本語版(Japanese version) はこちら

英語版 (English version) はこちら

海外の各国の状況は、なにかと批判されている WHO のサイトがうまく整理して示しています。(日別のpdfファイル)

For overseas situations, refer to the WHO site:
サイトはこちら

on WHO site, you can get the report by clicking the Situation-Reports (reports with the larger number are newer.)

海の上の編集室について

システム障害が発生し、元通りに復旧するのは時間がかかりそうなので、こちらで新規に再開することにしました。

編集日記と人生の名言・迷言はこちらに掲載します。

一歩差がつく大人の英語は、一週間後に再開します。その場合はあらためて、こちらと facebook でお知らせします。

英和対照 新型コロナウイルスで私たちにできる対策 1

このページは、新型コロナウイルスに対する感染予防策を外国人向けに日本語・ローマ字・英語で示したものです。

外国人に説明するときにも使えるように。一番最後に英語の発音を添えてあります。

Note: [R] means the romanization of Japanese.

 

3つの密を避けましょう
([R] Mittsu no mitsu wo sakemashou.)

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生の名言・迷言 72: 年をとるにつれて知恵も身につくとは限らない、、、

quotes-072_Terry Pratchett

テリー・プラチェット

テリー・プラケット(1948年~2015年)はイギリスの作家。

コミック・ファンタジーの「ディスクワールド」シリーズで(日本以外では)よく知られています。

ディスクワールドは円盤状の星で、巨大なカメの甲羅に四頭のゾウがいて、その背中に載っているという設定(古代の地図で地球は平面だというのがありましたね)。

日本では角川書店から翻訳が出ましたが、まったく売れませんでした。

が、このシリーズは三十七の言語に翻訳され、総計八千万部を超えるベストセラー/ロングセラーになっています。

この言葉については、自分の周囲を見まわして納得できる人も多いのではないでしょうか。

虎の威を借りてやたら威張り散らす上司、頑固で自分こそが正しいと思いこんでいる老人、被害妄想の高齢者……

とはいえ、こういう人──こういう傾向のある人──は、実は、若い世代にも結構いますよね。

世間体とか体裁というオブラートで包まれていたものが、年をとるにつれて失われて、中身がそのままむきだしになってくる──のかもしれません。