今週の名言・迷言 35

自分をいつわって愛されるより、本当の自分をさらけだして嫌われるほうがましだ。

アンドレ・ジッド

アンドレ・ジッド(1869年~1951年)は『狭き門』『法王庁の抜け穴』『贋金づくり』などの作品で知られるフランスのノーベル賞作家。

「自分をいつわって愛されるより」という言葉は、SNSでリア充を競い合っている現代にも通じるような……

ジッドは従姉と結婚し、『狭き門』や『田園交響楽』には彼女を思わせる人物も登場しますが、ジッド自身は同性愛者で、そのことも公言していました。

死後、彼の作品はローマ法王庁(=ローマ教皇庁)から禁書扱いにされますが、そういうことを踏まえると、この言葉には人生をかけた重みが感じられます。

今週の名言・迷言 34

真に幸福になるには、人は一日に五回、死について考えなければならない

ブータンの言い伝え

ブータンといえば数年前に国民の幸福度が世界一高い国として注目され、国王夫妻が来日して話題にもなりました。

国民総幸福量という概念は半世紀ほど前にブータン国で提唱され、それが国の政策にいかされているそうです。

先進国の現状を見ると、経済が成長し所得が増大することで幸福になれるのか疑問だ、それに比べて、国民所得の低いブータンでは国民の97%が自分は幸福だと感じている、という非常にわかりやすい比較で、当時はちょっとしたブームになりました。

この97%という数字自体は統計調査の設問に問題があるという指摘がなされていて、若い人の失業率も高く、現実の幸福度はそれほど高くないという説もありますが、「経済成長」や「お金」だけがすべてではないということ自体は広く共感を呼んでいるようです。

というわけで、なんと、それをもとにしたスマホのアプリもあります。

「忘れるな、君はいずれ死ぬということを」

英語では “Don’t forget, you’re going to die.”ですが、WeCroakというアプリは、この短いメッセージだけを一日五回送ってきます(実際の死と同じように時間は決まっていない)。有料なのに、ダウンロードしている人も少なくありません。

ちょっとイラッとする、目にしたくもないメッセージだし、朝出がけに送られてきたら頭にきそうですが、人生を無駄にすごしたくない、緊張感をもって集中して仕事や生活ができると、アメリカでは意外に評判もよく、ニューヨークタイムズなどでも取り上げられています(iOS版の評価では4.2、アンドロイド版では3.5)。

今週の名言・迷言 33

ぼくは、すべてのものについて、それが誤りであると証明されるまでは信じることにしている。だから、妖精や神話やドラゴンも信じてるんだ。心のなかだけであったとしても、そういうものはすべて存在しているんだよ。

ジョン・レノン

ジョン・レノン(1940年~1980年)は、イギリスのロックバンド、ザ・ビートルズの中心メンバーで、バンドの曲のほとんどはポール・マッカートニーとジョン・レノンが作詞・作曲を担当していましたが、両雄並び立たずで、レコードデビューからほぼ八年に事実上解散し、その後はそれぞれソロ活動や独自のバンド活動を展開しました。

ビートルズは二十世紀のポップミュージックを代表するロックバンドであり、メンバーそれぞれもすぐれたミュージシャンでした。

ジョン・レノンは一時期音楽活動を停止していましたが、再開後まもなくの1980年12月8日、ファンだと公言する男に自宅前で射殺されました。「ジョン・レノンが射殺された “John Lennon was shot to death.” というニュースはまたたくまに世界中に伝えられましたが、なぜ殺害にいたったのか、その理由はいまだに謎のままです。