人生の名言・迷言 73 過去を振り返ると、昨日はいつも輝いていた気がする。だが、そのときは「いまは試練の時だ」と言っていたのだ
過去を振り返ると、昨日はいつも輝いていた気がする。だが、そのときは「いまは試練の時だ」と言っていたのだ。
ジョン・メージャー
ジョン・メージャー(1943年~)はイギリスの元首相です(在職期間:1990年~1997年)。
ことわざの「喉元(のどもと)すぎれば熱さ忘れる」と似たような意味ですが、人間はもともとそういう存在なんでしょうね。
でなければ、過去のつらい記憶をいつまでも引きづって体調をくずしかねません。
逆に、「あつものに懲(こ)りて、なますを吹く」のもまた人間で、この振れ幅が大きいと、生きていくのも大変で、バランスをとるのがなかなかむずかしい……
「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャーの辞任を受けて英国首相に就任したのがジョン・メージャーでした。
保守党の党首選挙ではメージャーの得票は三番目でしたが、上位の二人が辞退したため、首相の座が転がりこんできたのです。
組閣後最初の総選挙では「敗北するという予想」を裏切って辛勝し、そこから六年半の長期政権への道筋がついたのでした。
四十代で首相に就任して長期政権を築くなど、順風満帆にも思える政治家人生ですが、運命の分かれ道では、「かろうじて」とか「ぎりぎりのところ」で、なんとか乗り切ってきたというのも事実で、そういうところから、この言葉が出たのでしょうか。
イギリスは2020年に欧州連合(EU)を離脱しましたが、1993年の欧州連合発足に尽力し、加盟を決断したのがメージャー首相でした。
もっとも、英国が欧州に吸収されたりフランスやドイツが主導権を握る欧州の連邦化を警戒して、EUの共通通貨のユーロは採用せず、従来のポンド体制を維持して金融の自立を確保しました。
メージャー元首相は現在、政界を引退していますが、イギリスの欧州連合離脱には反対で、国民投票の再実施を求めています。