人生の名言・迷言 45
若い絵を描けるようになるには、とても時間がかかるんですよ。
パブロ・ピカソ
パブロ・ピカソ(1881年~1973年)は、いうまでもなく、二〇世紀で最も成功したスペイン出身の画家です。
美術教師の長男として生まれた彼は、子供の頃から才能を発揮し、十代で古典様式の絵画で次々と受賞を重ね、二十のときにパリではじめての個展を開いています。
その頃が青の時代で、それからバラ色の時代、キュビズム、新古典主義、シュルレアリズムなどなど、作風もめまぐるしく変化していきます。
ギネスブックに載るほどの多作家でもあり、作品の数は絵画だけで一万点を軽く超え、版画や挿絵や彫刻を含めると軽く十数万点になるそうです。
この発言は、フランスでのピカソ自身の回顧展で、年代順に展示された作品をみた人が「若い頃の作品ほどきちんとしていて几帳面なのに、後になるほど無頓着で大胆になっていますね」と声をかけたときのピカソの返事だそうです。
社会的な思惑などを考慮せず、子供のように自分の描きたいように描くのがむずかしいんですよ、ということでしょうか。
ちなみに、ピカソの実名は、落語の「じゅげむじゅげむ ごこうのすりきれ……ちょうきゅうめいのちょうすけ」なみに長いことでも知られています。
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・ピカソ
これは聖人の名前などを並べたもので、洗礼名はさらに長くなっています。
寿限無の場合もお寺の住職に思いつく限りのおめでたい名前をつけてもらったものなので、子の幸せを願う親心は洋の東西を問わず同じ、ということでしょうか。