今週の名言・迷言 26
書く秘訣なんて何もない。ただタイプライターの前に座って、血のにじむような努力をするだけだ。
アーネスト・ヘミングウェイ
ヘミングウェイ(1899年~1961年)は、第二次世界大戦をはさんで、二十世紀アメリカ文学の旗手として社会現象を起こすような存在だったノーベル賞作家で、『誰がために鐘は鳴る』『武器よさらば』『老人と海』などの作品があります。
行動派の作家としても知られていましたが、晩年は躁うつ病のような状態に苦しみ、銃で自殺しました(享年六十二歳)。
三十五歳のとき、ノルウェーからの移民の子である、二十二歳の作家志望のアーノルド・サミュエルソンに、作家になる必読書として十六冊の本を示しましたのが、この手書きのメモです。
(Source: “With Hemingway”by Arnold Samuelson)
日本語のタイトルとしては、
『青いホテル』スティーヴン・クレイン、
『オープン・ボート』スティーヴン・クレイン、
『ボヴァリー夫人』ギュスターヴ・フローベール、
『ダブリン市民』ジェームズ・ジョイス、
『赤と黒』スタンダール、
『人間の絆』サマセット・モーム、
『アンナ・カレーニナ』トルストイ、
『戦争と平和』トルストイ、
『ブッデンブローク家の人々』トーマス・マン、
『歓迎と別れ』ジョージ・ムーア、
『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー、
『英語韻文集』オックスフォード大学出版、
『大きな部屋』E.E.カミングス、
『嵐が丘』エミリー・ブロンテ、
『はるかな国 とおい昔』ウィリアム・ハドソン、
『アメリカ人』ヘンリー・ジェームズ
となります。
いわゆる世界文学を代表する古典も含まれていますが、二作選ばれているのはトルストイと、日本の読者にはちょっとなじみの薄いスティーヴン(ステファン)クレインの二人だけというのも興味深いところです。